何でも屋エンジニアのブログ

ソフトウェア関連技術、コミュニティ、日々の雑貨

RubyKaigi 2023に参加した

所属しているGMOペパボ株式会社の支援でRubyKaigi 2023に初参加してきた。

コロナ禍や子供が産まれたタイミングもありここ数年あまりコミュニティに参加できておらず、色々な人に「久しぶりです」が言えたのがとてもよかった。同時に「初めまして」や「xxx使ってます/見てます、いつもありがとうございます」ができて本当に良かった。#rubyfriends の取り組みは素晴らしく、多くのコミュニケーションのきっかけになった。みんなの楽しそうな写真を見ることの栄養もあり、RubyKaigiが終わってから何度も見返している。

OSS Gateからスタートし、OSSの中でも特に関わることの多いRubyGemsに対しては自分事と捉えcontributionや自作をしていたが、元となるRuby本体は自分になじみがないC言語MRIはだけど)で書かれているからなのか、言語自体はさすがに手が出せないと考えていたからか、一歩引いた感じがあり壁があった。悪く言えば他の物事に比べ他人事だったように思う。それが実際に関わっている人がしゃべっているのを聞いて、何か感じるところがあった。Ruby自体をより身近に感じ、深ぼったり積極的に関わりたいという気持ちが湧いてきた。言語化できないけどjune29さん がどこかで言っていた「関係性が立体的になる」というのに近い部分があると思う。もちろん、発表内容が素晴らしいという要素は多分にありスピーカーのみなさんのおかげであるが、こう考えるに至る道筋にオンサイトでのRubyKaigi 2023への参加という要素は欠かすことのできない大きな要素であろう。

https://github.com/ebihara99999/code_keeper を作ったりいわゆるカスタムコップを作ったりする中でASTに触ることが増えてきて、その流れでParserにも興味が出て来ていて、今回の大Parser時代のRubyKaigiのコンテンツは特に楽しめた。

基礎知識が足りず The future vision of Ruby Parser - RubyKaigi 2023 を聞いても分からないことが多く、一日目の夜調べたりソース読んでのびしろ…となっていた。次の日、しおいさんの発表 Implementing "++" operator, stepping into parse.y - RubyKaigi 2023 で色々とっかかりや理解ができ、おおおお!となった。もちろんそれでも分からないことがいくつかあったので、スライドとparse.yと実行結果を見比べながら、その日の夜もうなっていた。ところで、金子さんの発表、分からないなりにも楽しく感じたり興味を惹かれるところが多く、非常に感銘を受けた。

RedDataToolsの話やRuby + ADBC - A single API between Ruby and DBs - RubyKaigi 2023 のポスグレのプラグイン開発話など、他にも気になることがあったにも関わらず、ちゃんと質問できるまでの理解度をあげて聞いて回れなかったのは残念だった。予習をより行う必要があったなと反省した。幸い、RedDataToolsの方はYoutubeで開発の様子を公開してくださっているので、そちらを見ていくことにする。

www.youtube.com

こちらに記載していない発表もどれも学びが多く、本当に素晴らしかったことを付言させてください。本当にありがとうございます。

KaigiEffect

既に書いた通り、「Ruby自体をより身近に感じ、深ぼったり積極的に関わりたいという気持ちが湧いてきた」。これを感じられたのは非常に大事な経験だったと考えている。

同様に既出だが、RedDataToolsへの興味・関心が深まったのでキャッチアップを行っている。

さらに、Parser周りに興味が出てきたので、キャッチアップしている。取り急ぎRubyの仕組みを購入し読んでいるところだ。(分かりやすく発表を聞く前に読んだりしておけば良かった...と少し後悔しているが、それもKaigiEffectということで。)

さいごに、コミュニティ関連で。Step-to-Rails-Expert.rb - connpass というコミュニティを立ち上げ主催していたが、コロナ禍以降リモート開催となり、最近は大倉さんが主催を引き継いで運営・参加を行っていなかった。「そろそろオンサイトの開催もしたいなぁ」とぼんやりと考えていたが、RubyKaigi 2023に参加したことによって「やりたい!やるぞ!」に変わった。コミュニティについて松田さんともお話でき、よりその気持ちが強まった。

帰ってから感じたこと

ぱんさんjoker1007さんの参加ブログを読み、とても共感した。

「誰かをロールモデルにする」という考え方自体が、その対象の人のことをめちゃくちゃ好きで尊敬していても、誰かをロールモデルにすることで誰かと自分を常に比べることになると、私はメンタルを病んでしまうので、難しいことだなと思ったりしているのでした。つまり言いたいのは、誰かをロールモデルにしていてもいなくても、登壇者を目指していてもいなくても、Rubyを好きでいたらRubyKaigiを楽しめるし、Rubyコミュニティにいていいのだ、と、当たり前ながら思ったということでした。

nappan23.hatenadiary.org

気にせず自分の人生のための活動をすること、自分なりのやり方でコミュニティに恩を返すのも大事なことなのだと思います

joker1007.hatenablog.com

自分自身あまり能力が高い方ではないし、絶賛子育て中で時間も多くは取れない中、帰った後受けた刺激を少し持て余している感覚があったが、上の記事を読み少し気持ちが楽になった。ちゃんと「We Code」を続けていくことを大事にしていこう、ライフステージの変化・社内でのロールの変化もあり続けることはそこまで簡単ではないのだけれど、Rubyを書くのが楽しい・知識が広がるのが楽しいという気持ちやOSSやコミュニティへの関わりが僕のプログラマーとしての原点であるのだから、それは何であれずっと大切にしていこうと思った。今回の体験は、おそらく何十年経っても記憶に残り続けるものだと思う。そんな場に参加できたことを非常に嬉しく感じるとともに、場を作ってくれたみなさま・参加を支援してくれた会社・参加を後押ししてくれた家族に強く感謝している。